「我が子が発達障害かもしれない」と思い、このページに辿り着いたお父さん、お母さんもいるのではないでしょうか?
このサイトは、発達障害児の親による発達障害児の親のためのサイトです。
発達障害児の親の先輩として、今まで勉強してきたことを分かりやすく伝えていきます。
まずは、このページで発達障害の症状、特徴、診断方法を学びましょう。
目次
1.発達障害とは?
発達障害は脳の機能障害であって、通常低年齢にその症状が発現するものです。
親の育て方や愛情不足、ストレスなどの心の問題から発症するものではありません。
愛着障害などが二次障害として現れることもありますが、あくまでも生まれつきの脳の機能障害です。
あなたの子育てに問題はありません!
最近「発達障害」という言葉をよく耳にするようになりましたが、発達に問題があること全般にその言葉が使われていることがあります。
「私の子どもは発達障害で〇歳まで歩けなかった」というのは発達障害ではありません。
では、発達障害にはどのような種類があるのでしょうか?
2.発達障害の種類
発達障害は、大きく「広汎性発達障害」と「注意欠陥多動性障害」と「学習障害」の3つのグループに分けられます。
しかし、それぞれが重なり合う所もあり、明確に区別ができるわけではありません。
複数の障害の特徴を持っている子どもも多く見られます。
それでは、それぞれの障害にはどのような症状や特徴があるのでしょうか?
3.発達障害の症状と特徴
3-1.広汎性発達障害(PDD)
脳の発達の障害が広い領域で見られるため、「広汎性」と言われます。
広汎性発達障害には、自閉症、アスペルガー症候群があります。
コミュニケーションが苦手、強いこだわりを持つ、いつもと違うことがあるとパニックを起こす、といった特徴があります。
3-1-1.自閉症
言葉の遅れや知的障害を伴う場合は、自閉症と言われます。
3-1-2.高機能自閉症
知的障害が無い場合は、高機能自閉症と言われます。
「高機能」という言葉が使われているため高い能力を持っていると勘違いされることもありますが、「知的障害」が無いというだけでそういう訳ではありません。
発達障害者の中にはある分野で非常に高い能力を発揮している人もいますが、誰にでもそのような能力がある訳ではありません。
3-1-3.アスペルガー症候群
言葉の遅れが全くない(むしろ達者)の場合もあり、それはアスペルガー症候群と言われます。
最近ではPDDのことを自閉症スペクトラム障害(ASD)と改められました。
自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群を独立して考えず、連続体としてみなすという概念です。
一人一人に出る症状は様々ですが、根本は同じという考え方ですね。
3-2.注意欠陥多動性障害(ADHD)
注意力を保ったり、じっとしていることが苦手なため、衝動的に行動することがよくあります。
小学校に入学してから、授業中に座っていられず、フラフラと席を離れてしまうということで、問題となることがあります。
3-3.学習障害(LD)
知的障害があるわけではないのに、読み、書き、計算など特定の学習において支障が現れる状態を言います。
これも小学校に入学してから、問題が顕著化します。
日常生活には問題がなさそうなのに、「音読が苦手」、「文字を正しく書けない」、「数字の大小が分からない」といった症状があります。
4.発達障害の診断方法
「我が子にも上記のような症状や特徴が見られる!」となった場合は、診断をしてもらうことになります。
しかし、血液検査や脳波の検査で診断できるものではないのです。
インフルエンザのように検査をすれば陽性・陰性がはっきりするのであれば良いのですが、そういう訳ではありません。
「診断」となると、厳密には「DSM-V」というアメリカの診断基準によって診断されるのですが、多くの場合はその先生の見立てで障害名をつけられたり様子見となる場合が多いと思います。
「自閉症」や「広汎性発達障害」と告知され奈落の底へ落とされた気持ちになったり、「様子を見ましょう」と言われ腑に落ちない気分となったりしたお父さん、お母さんも多いと思います。
しかし、「診断されること」はそれほど重要なことではないと考えます。
「発達障害かもしれない」と思った時点で、その子は発達障害の資質があるのだと思います。
「グレーゾーン」という言葉が使われるように、どこからが発達障害だといった明確な境界線はありません。
であれば、その見えない境界線にこだわるよりも、その子のためになることを始める方が大事だとは思いませんか?
発達障害児にとって良いことは、健常児にとっても良いことだと思います。
親は我が子が発達障害かどうかということにこだわらず、しっかりと子どもと向き合うことが大事だと思います。
5.発達障害の早期診断ツール
「いや、我が子が発達障害なのかどうかはっきりさせたい!」というお父さん、お母さんもいるかと思います。
そんなお父さん、お母さんは、ネットで「M-CHAT」と検索してみてください。
M-CHATは、1歳半から2歳児に適用できる「23問の質問に答えるだけで95%の精度で自閉症を予測できる」と言われる強力なツールです。
しかし、重ねて書きますが、「我が子を診断する」よりも、「我が子と向き合う」ことの方が、その子のためになると考えます。
6.お勧めの本
「我が子と向き合う」といわれても、どうしたらよいか分からないというお父さん、お母さんにはこの本をお勧めします。
これは、イギリスの言語聴覚士の女性の本を翻訳したものです。
0歳から4歳までを11の時期に分け、それぞれの時期に対応する「語りかけ育児」の方法が説明されています。
「子どもが自閉症かもしれない」という問題が我が家に降りかかったとき、この本を参考にして子どもと向き合いました。
我が子のレベルに合う、すなわち我が子よりずっと小さい月齢のレベルから始めました。
私は基本的に本に線は引かないのですが、この本にはたくさん線が引かれています。
また、この本にはいくつもの事例が紹介されています。
言葉の遅れがあった子どもに対して「語りかけ育児」を実践したところ、目に見える成長があったと。
そこまでの成長を期待するべきではないかもしれません。
しかし、健常児によいことは発達障害児にもよいアプローチなのです。(逆も言えます)
「我が子が発達障害児かもしれない」と思ったお父さん、お母さんにとっては「我が子は発達障害かどうか」をはっきりさせたいでしょう。
しかし、それが最も大切なことではありません。
発達障害であろうがなかろうが、我が子であることは間違いありません。
愛しい我が子であることは間違いありません。
その子としっかり向き合うことが最も大切なことであることは、間違いないのです。
7.まとめ
発達障害の症状と特徴についてまとめました。
診断方法については、結局病院や診療所の先生の見立てとなるわけですが、診断することよりも「子どもと向き合う」ことの方が大事だと書きました。
「我が子にはこういった特性があるんだ」ということを理解して、子どもとしっかり向き合うことが大事です。
そして、子どもの自己肯定感を養うことが大事です。
そうすれば例え今は手がかかるだけでも、きっと可愛い一面を見せてくれるようになりますよ!
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